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 学問とは、結局、整理することです。
いや、考えることとは、結局、整理することなのです。
私たちは、まず食べたり、安全を確保したり、そして人と話をしたりする。
そういう中で、大切なことと、大切じゃなかったこと、もうあんまり繰り返したりしたくないこと、一言で言えば不幸な事柄を経験する。

 言ってしまえば、人はずっと不幸を避けられるわけではないけれども、反対に、ずっと幸福から遠いところにいるわけではない。

 そうやって日常をなんとなく繰り返しているうちに、急に整理をしたりする。それまでのこと、それまで会った人とのこと、イヤなこと、苦しかったこと。

 あぁ、自分はあぁいうのが嫌なんだな、こういう時はこうすればよかったんだな、と自分なりの整理をする。
 そして、また日々に戻っていくのです。


 おそらく、整理なしでは、人はやっていけないでしょう。それは私たちが機械ではないから。
もちろん、整理ばっかりすると、日常がおろそかになるでしょう。


だからふとしたときに、整理をして、思いもがけない発見をしたりして、そして次につなげていく。


 僕は、これまで随分、自分に直接言われたことも含め、講義で聞いたのも含め、”具体的な思考を忘れるな”ということを聞かされ続けてきました。
 確かに、僕は抽象的な議論が好みだし、そういう思考は得意です。
 しかし、それだけで、抽象的な議論は地に足がついていないから避けられるべきだ、具体的な思考のみが尊重されるべきなのだととは微塵も思っていません。

 ならば、逆に、具体的とはどういうことよ?と聞いてみたくもなります。

 当たり前ですが、やっぱり抽象的な思考と、具体的な思考と、両方が必要なのです。どちらか一方という考えは一番合ってはならない。
 そして、抽象的な思考はしばしば、かえってあとで日常の具体的な場面を整理してくれることに大きくつながったりします。

 抽象的な思考は、それをすることで、具体的な場面に力立つことだってたくさんある。
逆に、具体的という言葉に囚われすぎると、ひとつも地図や一貫を軸に置かない、その場だけの解決になってしまって、応用がきかなくなるでしょう。

 理論は大事。抽象的な思考も大事。

そんなことを思いました。

ういろう
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