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突然ですが、小説「Vague mal」の14回目です。
実はあとちょっとでキリのいいとこまでいくので、それらを公開したあと、連載は終了したいと思います!
ここで「Vague mal」の連載がまとまって読めます。
http://statodiecceziobe.syoyu.net/%E5%B0%8F%E8%AA%AC/
では、第14回目です。
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(連載最終回へ)
実はあとちょっとでキリのいいとこまでいくので、それらを公開したあと、連載は終了したいと思います!
ここで「Vague mal」の連載がまとまって読めます。
http://statodiecceziobe.syoyu.net/%E5%B0%8F%E8%AA%AC/
では、第14回目です。
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水辺線上の地平にいる。飛ぶことはできないだろうな。
彼はいつも思い出の中でレモン・ドロップを舐めていたから、何となく甘ったるい独特の印象が残っている。
ここは中心ではない。足元の感覚が正直だ。それでも立っているという確信はある。何かしらを待ち構えているというわけでもない、それでも何か起こるかもしれないという予感の中にいる。足がぬかるみに取られるように、僕は感覚を失っていく。暗闇におちる。死ぬのはイヤだな。あでも死ぬわけではないのか。待つ、そのこと。くらやみとは化け物だな、そんなことをふと思ってしまう。フレンチ・トーストと半熟の目玉焼き。これは世界の裏側か、失敬。
永遠と有限、そのどちらかではなく、二元であるということ。そろそろ自前の刃を準備せよ!
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嘘を書く、という非常に難しいこと。書くことは完全なる遊びにはならず、何かをさらけ出してしまう、自ずと。一種の行為である。
(ところで私は思うがままに探索しているわけなのだが…)
書いてしまうことは何か?契約書とも登記簿とも違うエクリチュール。エクリチュールの起源は?
そう、これは少なくとも嘘でない何かを間接的に語っているのだ。小説は嘘ではない。虚構とは、ある意味で、真実の、真理の内に含まれている。それは真理の見せかけであり、全くの虚偽ではないのだ。
真理の打ち立て方がある。一方は権力によって。もう一方は抵抗によって。権力による真理―体制は今でも十分に世界を覆い尽くす。抵抗による真理の打ち立て方は、ゲリラ戦的な夜戦だ。
都市が、任意的な、それが見える。
(連載最終回へ)
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