実際、アベノミクス、ないしイギリスのサッチャーが敢行したような新自由主義政策は、一貫していて、物分りが良い。競争原理主義は、シンプルな考えに裏打ちされている。
人は、スタート地点で、みな平等である。この分かりやすい思想は、平等の概念を使っている(改めて確認されるべきことがらである!) それを『差異と反復』のドゥルーズならば、悪しき同一性に根付いたものと厳しく批判するであろうが。
人は皆平等だから、あとはみなを分かつもの(差異づけるもの)は、努力と少しばかりの才能である。努力は誰の前にも公平に広がっている―それをするかしないかは、従って完全に君の自由(責任)だ。 また、ちょっとばかしの才能とあっては、誰しもがそれによる差別=差異化を認めざるを得ないだろう。
這い上がりたくば、努力しろ。 これがこの思想の原理である。
安倍政権は、じつにこの1年間の間、それまでの短命政権を覆すかのように、ある程度の支持率を得てきた。
適菜収『B層の正体』は、小泉政権下で行われた郵政民営化政策が、一定の文化的・知能的傾向性を示す「B層」国民を主なターゲットにして勧めたことを仮説している(詳しくは同書を参照)。 単純明快なアベノミクスも、同じように分かりやすい理想主義で、大衆の追認を獲得していっているのだろうと思われる。
簡単なスローガン、簡単な支持。私が何を言いたいかはもう分かるだろう。
そのような政治が過去にいったいどれだけの悲惨を招いてきたか、もはや私たちは忘れたのだろうか?
(了)
人は、スタート地点で、みな平等である。この分かりやすい思想は、平等の概念を使っている(改めて確認されるべきことがらである!) それを『差異と反復』のドゥルーズならば、悪しき同一性に根付いたものと厳しく批判するであろうが。
人は皆平等だから、あとはみなを分かつもの(差異づけるもの)は、努力と少しばかりの才能である。努力は誰の前にも公平に広がっている―それをするかしないかは、従って完全に君の自由(責任)だ。 また、ちょっとばかしの才能とあっては、誰しもがそれによる差別=差異化を認めざるを得ないだろう。
這い上がりたくば、努力しろ。 これがこの思想の原理である。
安倍政権は、じつにこの1年間の間、それまでの短命政権を覆すかのように、ある程度の支持率を得てきた。
適菜収『B層の正体』は、小泉政権下で行われた郵政民営化政策が、一定の文化的・知能的傾向性を示す「B層」国民を主なターゲットにして勧めたことを仮説している(詳しくは同書を参照)。 単純明快なアベノミクスも、同じように分かりやすい理想主義で、大衆の追認を獲得していっているのだろうと思われる。
簡単なスローガン、簡単な支持。私が何を言いたいかはもう分かるだろう。
そのような政治が過去にいったいどれだけの悲惨を招いてきたか、もはや私たちは忘れたのだろうか?
(了)
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