忍者ブログ
本の感想、雑感、小論考など。 小説、簡単なエッセイはこちらで→「テイタム・オニール」http://ameblo.jp/madofrapunzel2601/
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

実際、アベノミクス、ないしイギリスのサッチャーが敢行したような新自由主義政策は、一貫していて、物分りが良い。競争原理主義は、シンプルな考えに裏打ちされている。

 人は、スタート地点で、みな平等である。この分かりやすい思想は、平等の概念を使っている(改めて確認されるべきことがらである!) それを『差異と反復』のドゥルーズならば、悪しき同一性に根付いたものと厳しく批判するであろうが。

 人は皆平等だから、あとはみなを分かつもの(差異づけるもの)は、努力と少しばかりの才能である。努力は誰の前にも公平に広がっている―それをするかしないかは、従って完全に君の自由(責任)だ。 また、ちょっとばかしの才能とあっては、誰しもがそれによる差別=差異化を認めざるを得ないだろう。

 這い上がりたくば、努力しろ。 これがこの思想の原理である。

 安倍政権は、じつにこの1年間の間、それまでの短命政権を覆すかのように、ある程度の支持率を得てきた。
 適菜収『B層の正体』は、小泉政権下で行われた郵政民営化政策が、一定の文化的・知能的傾向性を示す「B層」国民を主なターゲットにして勧めたことを仮説している(詳しくは同書を参照)。 単純明快なアベノミクスも、同じように分かりやすい理想主義で、大衆の追認を獲得していっているのだろうと思われる。

 簡単なスローガン、簡単な支持。私が何を言いたいかはもう分かるだろう。
そのような政治が過去にいったいどれだけの悲惨を招いてきたか、もはや私たちは忘れたのだろうか?

(了)
PR
COMMENT
name
title
text
color   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
mail
URL
pass
secret
PREV ←  HOME  → NEXT
Copyright (C) 2024 書も、積もりし。 All Rights Reserved.
Photo by 戦場に猫 Template Design by kaie
忍者ブログ [PR]