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本の感想、雑感、小論考など。 小説、簡単なエッセイはこちらで→「テイタム・オニール」http://ameblo.jp/madofrapunzel2601/
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 人間とは、河の流れのようなものだと思う。ゆるやかに、しかし確実にこくこくと流れていく河だ。このことは、いくら強調しても、いつの時代にも抑圧され見過ごされるので、強調しすぎることがない。

 反対に、人間とは確固とした岩のような、大地のようなものであるのだろうか? 私はそうは思わない。あるものは移りゆく今だけだと思う。

 どの人間にも、メジャーなもの(ある程度共通している、<理性>や<掟>といったモノ)と、マイナーなもの(自分だけに特有の、感情や性)なものが混合している。
 大多数の人間は、自分がマイナーなものを抱えているということに気がつかない。自分は当たり前、言い換えれば普遍的存在だと認識している。
 しかし、マイナーなものは確実に存在する。自分に特有のもの、この感情、この瞬間、この生――。自分だけにしか把握することのできない痛みや、快楽が確かに存在するのだ。

 人は怖いのだろう。突き詰めれば、自分は誰とも違う、特異な存在であるということに。だから、安定を、確定を求める。メジャーなものたらんとする。そして、マイナーなものを抑圧する。

ドゥルーズは懸命にもそういった特異性を積極的に肯定し、くよくよしている主体に、それがなんだと笑い飛ばす。それが自分、それが人生なのだと、だから楽しめ、と。

いつも、少数の人は虐げられながら、真理を手にし、それからどうやってこの世界と折り合いをつけるのかを考えていく。真理に気づいたのは誰のせいでもない。
 社会の、変革を目指しながら。

(終わり)
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