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本の感想、雑感、小論考など。 小説、簡単なエッセイはこちらで→「テイタム・オニール」http://ameblo.jp/madofrapunzel2601/
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自分は今、アメブロで「たいくつ」という小説を連載しているのですが(http://ameblo.jp/madofrapunzel2601/entry-11444492881.html)、まぁ今回はそのことについて。

 この話は、次穂という主人公、それから姉の亜紀、ともすると友達のさきちゃん、大体この2面もしくは3面関係のお話です。次穂の1人称によって語られるので、彼女からの眺め、彼女からの世界の見え方が問題となります。

どこかで書いた気もするのですが、次穂は過去の想起をしている- 当時の姉はハタチで(ちなみに亜紀と次穂の年齢差は8歳です)、それを今ハタチである次穂が回想する。

 あの時ハタチだった姉は、今自分が抱えているようなことを思っていたのだろうか? 

妹たる次穂は、姉に絶大な信頼・愛着を抱いており、それは年齢差が手伝っているからかもしれませんが、そのことが逆説的に彼女らの距離を絶対的なものとする、ということ。

 いわば、次穂は、回想をすることで、解体をはかろうとしているわけです。
もちろん、回想行為は、よき過去を忍ぶこともあれ、非常にロマンチックなものです。 ただ、あの時彼女が見えていなかったものを、20歳の次穂はそれとなく見つけ出そうとする-。 

 次穂は過去をはからずも再構成していることになります。 過去は過去としてそれ自体があるのではなく、いつも想起されることによって再ー現前化されること。

 彼女が、小説舞台の夏のことを回想するまでは、それは土かぶって、いわば抑圧、忘却の隅へ追いやられていたことになる。
 
 そう、言わずもがな、彼女は回想をすることによって、当時を再び生きている。何重にも。 あの夏は一回きりのものでなく、偽装されながら、何回もやってくる。
 そして、その偽装と繰り返しの中から、何か、秘密めいたものを、隠されていたものを探そうとする。

それが次穂がはからずもやろうとしていることになります。

まぁ、まだ小説は続いていきますし、正直、次穂と亜紀はこれから面白くなる予定です笑

乞うご期待。
この記事は、アメブロ「テイタム・オニール」と、当サイトの接続として書かれました。

(了)
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