Vague mal
第四回
(今回から小見出しは事情により削除させていただきます)
痛み。痛みを伴うこと、それに引きずられること。これは紛れもなく私の一部だ。私の一部が悲鳴を上げている。
そう何もかも表象を忘却した朝だから。
ふわふわしたギター音が空間を浮遊する。朝の喧騒。別に私は楽しんでいたわけではない。どちらかというと孤独で、みじめでもあった。みじめな存在。自己が小さくなっていく状態。
黄色い太陽が背の高いビルの諸側面を照らす。向かいの一軒家では騒がしい犬がワンワンと誰に向かってでもなく吠え続けている。
私の目の前には一冊の本がある。白に、明るい緑のチェック模様がついた表紙の本。その本をめくると、何も書かれていない。白紙の未来?いや、この本は記憶を持たないのだ。メモリーが存在しません。
*
(つづく)
第四回
(今回から小見出しは事情により削除させていただきます)
痛み。痛みを伴うこと、それに引きずられること。これは紛れもなく私の一部だ。私の一部が悲鳴を上げている。
そう何もかも表象を忘却した朝だから。
ふわふわしたギター音が空間を浮遊する。朝の喧騒。別に私は楽しんでいたわけではない。どちらかというと孤独で、みじめでもあった。みじめな存在。自己が小さくなっていく状態。
黄色い太陽が背の高いビルの諸側面を照らす。向かいの一軒家では騒がしい犬がワンワンと誰に向かってでもなく吠え続けている。
私の目の前には一冊の本がある。白に、明るい緑のチェック模様がついた表紙の本。その本をめくると、何も書かれていない。白紙の未来?いや、この本は記憶を持たないのだ。メモリーが存在しません。
*
(つづく)
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