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かつては、カラオケというものが存在しなかったことをみなさんは覚えていらっしゃるだろうか?

 カラオケは、1990年代に発明された。カラオケとは何か。

それは、一言で言えば、「密室を有料で借りて、歌を思いっきり歌う」というサービスである。
 それまで、カラオケが登場する前までは、歌はひたすら聞くものであった。

 少数の歌い手と、大多数の聞き手。それが、カラオケ以前の音楽のスタイルだ。大多数の人々にとって、歌とはひたすら聞くものとしての、受動的なモノだったのである。

 その本質を、カラオケは一変させた。 歌を、自ら積極的に歌うものに変えたのである。
 カラオケはあっという間に広まり、今では若者のみならず世間一般の娯楽たり得ている。

 時間つぶすけどどうする? カラオケにする? くらい、自然なことになった。

 本稿が示すのは、そのカラオケで起きた現象が、さらにネット時代に突入したことで、「ボカロ曲好き」という事態まで推し進めた、ということだ。

 「ボカロ好き」な人は、初音ミクなどのツールを通して生まれた。
それは、人が単に聞きたい歌の対象を変えたという訳ではない。

歌そのものが、変化したのだ。
つまり、有料で歌える歌から、さらに無料で歌える歌に変わったのだ。

よく「ボカロ好きですー」という人がいるが、その人は確かにボカロ曲が好きではある。
 しかし、もっと正確に言うなら、「ボカロ曲を唄えるということそのもの」が好きなのだ。
 つまり、好きなのは、曲ではなく、歌う行為だということ。

歌は、アクティビィティたるものとして新しく変容しつつある。
 ネットに無料という条件が重なったからこそ、生まれた現象である。 歌は変身したのだ。

(おしまい)
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