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基本テーゼ ―アイドルと性愛 (2) 
 前記事は分かりにくいが、要するに、(AKBに端を発する現代)アイドルはファンや芸能人らとの「恋愛禁止」という前近代的な不自由を被ることによって、幾つかの効果および事態が出現してきている。
 性愛(恋愛、セックス、同性愛…の総体)のセクト化
A (クリアで健全な社会にふさわしい) 片思いメイン、清純なお付き合い(いってもキスまで)
  → 基本的に「妄想」=想像力を使ったコミュニケーションが増える
B セックス(身体の結合、喘ぎ)を含んだ性愛行為 → 隠匿される
 ・隠匿されるが消失するわけではない
 ・それどころか、むしろ闇の形をとって増大する
指原梨乃さんの事件を思い浮かべたらイメージしやすいと思います(笑)
 ちなみに僕は指原さんの事件の時、あのエロい写真はドキっとしたけど(笑)、中学生や高校生が性に走るなんてアッタリマエ(ここのアタリマエの意識の変成を扱っているわけだが)だから、別に珍しくとも何ともない、と思ったからこそ、報道は過剰だし、そのズレは気になって仕方ありませんでした。
 そして、このセクト化は場所(領域)の分離だけにとどまらず、
A → B AがBを攻撃する
 という権力関係を持ちます。
 アイドルはAの領域にみんな最初放り込まれて、不出来なものだけが、例外のBの領域に閉じ込められる。クリアで健全な社会を演じる社会(演じる社会……。クリアと健全さを装う社会。)は、こうして自らは何も言わずに、片思いメイン・清純なお付き合いといった、(よくわけのわからない)性愛形態のイメージの良さを創り出します。
 私が強調したいのは、むしろここからの、更に新たな性愛の展開なのです。
 ひとつは、Bの「暗き性愛」の場で、様々な動きが生まれる。
 さっきは指原梨乃というアイドル自身の境遇を例に出しましたが、最近ではローカルアイドルは山ほど降り、また一つのグループのなかでもたくさんのメンバーがいて、むしろ皆アイドル総員状態、といってもよい地域があります。
 ここでは、そのようなたくさんのアイドルメンバーと、たくさんのファンとが織りなす、「出禁」をめぐるスキャンダラスな側面を実際例として出したいと思います。


(つづく) 
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